合同会社NanoSiC NanoPow

2021年1月の記事

ナトリウムイオンバッテリー電解物

2021年1月12日

(本記事はBoron Molecular 社ウェブページからの抜粋です。)

ナトリウムは安価で自然界に豊富に存在しているためナトリウムイオンバッテリー(NiBs)は近年広範囲にわたり研究されてきています。ナトリウムイオンバッテリーの最も一般的な電解質製剤は過塩素酸ナトリウム(NaCLO4)またはヘキサフルオロリン酸ナトリウム(NaPF6)のエチレンカーボネートやプロピレンカーボネートなどの炭酸系溶媒溶液です。過塩素酸ナトリウムは爆発の可能性がありますし、ヘキサフルオロリン酸ナトリウムは感湿性で腐食性の高いフッ化水素(HF)を発生させます。 ナトリウムイオンバッテリーは、パワー密度が比較的低いことや、ナトリウムイオンバッテリーのスタック配置には通常大量の電解物が必要なため電池電力貯蔵向けと考えられていますので、高い安全性と効率性は重要なことです。 Boron Molecular社はオーストラリア、ニューサウスウェールズ州のウーロンゴン大学(the University of Woolongong)とのチームアップで研究者コミュニティーが高品質な水素吸蔵化合物に容易にアクセス出来るようにすることで研究者が正しい候補化合物を探索できるよう支援しています。

Boron Molecular社(オーストラリア)は以下の製品を研究用途で販売しています。

白色粉末、水とゆっくり反応する

Application

Sodium-difluoro(oxalato)borate (NaDFOB)は、ナトリウムイオンバッテリー用の電解物です。このNaDFOBを炭酸系溶剤で溶かして作られた電解剤は化学的に安定な広い電位窓、低粘度、優れた伝導性を持っています。また水との反応でフッ化水素を発生させません。このため将来はナトリウムイオンバッテリーの安全性が改善され、大容量の電力保存施設に使用されることが期待されています。

文献で一般的に使用されているNaClO4やNaPF6と比較して、Sodium-difluoro(oxalato)borate (NaDFOB)は、炭素材料、酸化チタン、プルシアンブルーなど、ナトリウムイオンバッテリー材料として十分に研究されてきている化合物との高い互換性を持っているため、優れた出力特性とサイクル寿命特性が見込めます。ナトリウムイオンバッテリーは次世代送電網のような大容量のエネルギー保存に利用されると考えらており、NaDFOBは持続可能なエネルギーへの要求を満たすための信頼背が高いバッテリー開発に役に立つと考えています。

Reference

 1.    J. Chen, Z. Huang, C. Wang, S. Porter, B. Wang, W. Lie, H. K. Liu, “Sodium-difluoro(oxalato)borate (NaDFOB): A new electrolyte salt for Na-ion batteries”, Chemical Communications, 2015, 51, 9809.

報道通信社より発行されております月刊経営情報誌『Anchor』(アンカー)のインタビューを受けました。インタビューはびわ湖大津館にて行われ、当日のゲストインタビュアーは元光GENJIの大沢樹生氏。経歴や起業に至る経緯、今後の抱負等約40分のインタビューでした。このインタビューの内容はAnchor 8月号の「地域再生─企業は人なり─」に掲載されました。

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