アニオン重合は、アニオン開始剤であるアルキルリチウムとビニルモノマーの反応によって生じた成長活性種がアニオンであるリビング連鎖付加重合反応の1種です。 RAFT重合反応同様アニオン重合では製品であるポリマーの構造やその設計をコントロールできます。実際のアニオン重合では、アニオン成長活性種を系中に残存させるために、実験的に厳しい要求が課せられます。 このためにBoron Molecular社は最適な再生可能なポリマー製造を確実にするための厳しい反応条件を維持するという問題を解決するため、*CSIROとアニオン重合によるポリマー製造にフローケミストリーを用いる技術を共同開発しており、成長末端の活性維持できる最適な結果を得るためにアニオン重合の厳しい反応条件を調整しています。 *CSIRO(Commonwealth Scientific and Industrial Research Organisation、オーストラリア連邦科学産業研究機構)
ナトリウムは安価で自然界に豊富に存在しているためナトリウムイオンバッテリー(NiBs)は近年広範囲にわたり研究されてきています。ナトリウムイオンバッテリーの最も一般的な電解質製剤は過塩素酸ナトリウム(NaCLO4)またはヘキサフルオロリン酸ナトリウム(NaPF6)のエチレンカーボネートやプロピレンカーボネートなどの炭酸系溶媒溶液です。過塩素酸ナトリウムは爆発の可能性がありますし、ヘキサフルオロリン酸ナトリウムは感湿性で腐食性の高いフッ化水素(HF)を発生させます。 ナトリウムイオンバッテリーは、パワー密度が比較的低いことや、ナトリウムイオンバッテリーのスタック配置には通常大量の電解物が必要なため電池電力貯蔵向けと考えられていますので、高い安全性と効率性は重要なことです。 Boron Molecular社はオーストラリア、ニューサウスウェールズ州のウーロンゴン大学(the University of Woolongong)とのチームアップで研究者コミュニティーが高品質な水素吸蔵化合物に容易にアクセス出来るようにすることで研究者が正しい候補化合物を探索できるよう支援しています。
1. J. Chen, Z. Huang, C. Wang, S. Porter, B. Wang, W. Lie, H. K. Liu, “Sodium-difluoro(oxalato)borate (NaDFOB): A new electrolyte salt for Na-ion batteries”, Chemical Communications, 2015, 51, 9809.
Boron Molecular社はオーストラリア、ニューサウスウェールズ州のウーロンゴン大学(the University of Woolongong)とのチームアップで研究者コミュニティーが高品質な水素吸蔵化合物に容易にアクセス出来るようにすることで研究者が正しい候補化合物を探索できるよう支援しています。
Z. Huang, G. King, X. Chen, J. Hoy, T. Yisgedu, H. Lingam, S. Shore, P. Woodward, J. Zhao. “A Simple and Efficient Way to Synthesize Unsolvated Sodium Octahydrotriborate.” Inorganic Chemistry, 2010, 49, 8185.
Z. Huang, X. Chen, T. Yisgedu, J. Zhao, S. Shore. “High-capacity hydrogen release through hydrolysis of NaB3H8.” International Journal of Hydrogen Energy, 2011, 36, 7038.
D. Schubert, D. Neiner, M. Bowden, S. Whittemore, J. Holladay, Z. Huang, T. Autrey, “Capacity Enhancement of Aqueous Borohydride Fuels for hydrogen storage in liquids”, Journal of Alloys and Compounds, 2015, 645, S196.
W. Chen, Z. Huang, G. Wu, T. He, Z. Li, J. Chen, Z. Guo, H Liu, P. Chen, “Guanidinium octahydrotriborate: an ionic liquid with high hydrogen storage capacity”, Journal of Materials Chemistry A, 2015, 3, 11411
Boron Molecular社は、オーストラリアのCSIRO(オーストラリア連邦科学産業研究機構、Commonwealth Scientific and Industrial Research Organization, MolecularScience)から 2001年に分離独立した会社です。同社は現在もCSIROとは密接な関係を保っており、CSIROが開発した技術を基に様々な製品を市場に送り出しています。次回から同社の製品を何回かに分けてご紹介していきたいと思います。