合同会社NanoSiC NanoPow

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Boron Molecular社のポリマー製造能力について

2021年3月1日

(本記事はBoron Molecular 社ウェブページからの抜粋です)

Boron Molecular社では研究開発からコマーシャルスケールまで、グラム単位から数百キロ単位でのモノマーやポリマーの受託合成が可能です。従って、お客様の製造プロセスの開発から最適化までが可能ですので、研究室レベルの少量生産からパイロット・コマーシャルスケールでの生産への移行をスムーズに行うことができます。 同社は、ISO9001の認証を取得しており、社内の分析検査ラボで様々な検査・分析に対応しており、現在ペイント、コーティング、接着剤、電気関連企業から化粧品、動物薬、医薬品まで幅広い分野のお客様をサポートしています。

アニオン重合は、アニオン開始剤であるアルキルリチウムとビニルモノマーの反応によって生じた成長活性種がアニオンであるリビング連鎖付加重合反応の1種です。 RAFT重合反応同様アニオン重合では製品であるポリマーの構造やその設計をコントロールできます。実際のアニオン重合では、アニオン成長活性種を系中に残存させるために、実験的に厳しい要求が課せられます。
このためにBoron Molecular社は最適な再生可能なポリマー製造を確実にするための厳しい反応条件を維持するという問題を解決するため、*CSIROとアニオン重合によるポリマー製造にフローケミストリーを用いる技術を共同開発しており、成長末端の活性維持できる最適な結果を得るためにアニオン重合の厳しい反応条件を調整しています。
*CSIRO(Commonwealth Scientific and Industrial Research Organisation、オーストラリア連邦科学産業研究機構)

PHMO

Boron Molecular社は polyhexamethylene oxide (PHMO)を供給することができます。PHMOは650~750の範囲の分子量を持つ1,6-Hexandiolがベースのポリエーテルで、バイオメディカルポリウレタン(Elast-EonTM)の製造原料として使用することができます。

PDMS

Boron Molecular社はpolydimethylsiloxanes (PDMS)を供給することができます。polydimethylsiloxanes (PDMS)はシリコンベースのポリマーで、界面活性剤、消泡剤、油圧作動液、リソグラフィ-、医薬品、化粧品として利用できます。PDMSはバイオメディカルポリウレタンエラストマー(Elast-EonTM)を製造するためにpolyhexamethylene oxide (PHMO) と反応させることができます。

Polyanillines

Boron Molecular社はエスメラルディン塩としてドープ(付加)されたポリアニリン樹脂を製造しています。このポリマーはエメラルドグリーン色で高い導電性を持っていて(10 S/cm薄膜)以下のような分子量特性を持っています。
Mp 55,000,  Mn 43,000,  Mw 66,000

ポリアニリンは酸化状態によって色が変化するので、センサーやエレクトロクロミック素子に利用可能です。 将来的にポリアニリン樹脂は静電気防止材、さび止め塗装、電磁波シールド材、ナノファイバー、透明導電体などに使用できる可能性もあります。

分析について

Boron Molecular社はCSIROが持っている以下の分析技術を利用することで、モノマーとポリマーの分析をすることができます。

  • 1H, and 13C NMR
  • MS, including MALDI
  • GC
  • HPLC
  • GPC, FTIR, FTIR-microscopy
  • Raman, DMTA, TMA, rheometry, permeability tensile, compression testing (Instron), MOCON, XPS, AFM, XRD, SAXS-WAXS
  • APC, Thermal analysis using DSC, TGA
  • Melt flow indexers (MFI)

イオン液体について

2021年2月4日

(Boron Molecular product brochure for ionic liquid)■イオン液体カタログ(PDF)

イオン液体はイオンのみで構成された広い温度条件で存在する液体状態の塩とされていますが、研究の中心になっているのは室温で液体状態の物質です。イオン液体は非揮発性、非引火性、熱安定性、高い溶解度、可変性と広い電位窓を示す、など非常に有益な特性を持っています。そのためバッテリー用電解質、バイオマスやガスの分野での触媒や分離、エンジニアリング、分析など幅広い分野での応用が考えられています。

Boron Molecular社はホスホニウム系、ピロリジニウム系などの様々な高純度イオン液体を製造しています。また同様に個体電池への応用が考えられる柔粘性有機結晶(固体のイオン液体:organic ionic plastic crystals)も製造しています。同社は更にハライド系塩、トシル系塩などたくさんのイオン液体用出発原料も製造しており、研究開発用のカスタム設計による合成にも、また大量使用に向けたアップスケールにも対応可能です。

おすすめの製品


BM1717 CAS n/a
1-methyl-1-propylpyrrolidin-1-ium bis(fluorosulfonyl)amide

[C3mpyr][FSI]として知られているこのピロリジニウム系のイオン液体は比較的高い移動特性を持っておりアルカリ金属バッテリーでは既存の電解質では達成できなかった安定した充電サイクルを維持します。


BM1716 CAS 608140-09-6
1-methyl-1-propylpyrrolidin-1-ium bromide

カチオンの出発原料は特異的な用途にテイラーメイド対応可能です。


BM1697 CAS 950488-21-8
Ethylmethylpyrrolidinium bis(fluorosulfonyl)imide

この柔粘性有機結晶電解質[C2mpyr][FSI]は固体系の物質が望ましい場合を対象としています。この製品は可塑性のため十分なイオン電導性を保ちながら電極や表層部との接触を容易にすることが出来ます。

ナトリウムイオンバッテリー電解物

2021年1月12日

(本記事はBoron Molecular 社ウェブページからの抜粋です。)

ナトリウムは安価で自然界に豊富に存在しているためナトリウムイオンバッテリー(NiBs)は近年広範囲にわたり研究されてきています。ナトリウムイオンバッテリーの最も一般的な電解質製剤は過塩素酸ナトリウム(NaCLO4)またはヘキサフルオロリン酸ナトリウム(NaPF6)のエチレンカーボネートやプロピレンカーボネートなどの炭酸系溶媒溶液です。過塩素酸ナトリウムは爆発の可能性がありますし、ヘキサフルオロリン酸ナトリウムは感湿性で腐食性の高いフッ化水素(HF)を発生させます。 ナトリウムイオンバッテリーは、パワー密度が比較的低いことや、ナトリウムイオンバッテリーのスタック配置には通常大量の電解物が必要なため電池電力貯蔵向けと考えられていますので、高い安全性と効率性は重要なことです。 Boron Molecular社はオーストラリア、ニューサウスウェールズ州のウーロンゴン大学(the University of Woolongong)とのチームアップで研究者コミュニティーが高品質な水素吸蔵化合物に容易にアクセス出来るようにすることで研究者が正しい候補化合物を探索できるよう支援しています。

Boron Molecular社(オーストラリア)は以下の製品を研究用途で販売しています。

白色粉末、水とゆっくり反応する

Application

Sodium-difluoro(oxalato)borate (NaDFOB)は、ナトリウムイオンバッテリー用の電解物です。このNaDFOBを炭酸系溶剤で溶かして作られた電解剤は化学的に安定な広い電位窓、低粘度、優れた伝導性を持っています。また水との反応でフッ化水素を発生させません。このため将来はナトリウムイオンバッテリーの安全性が改善され、大容量の電力保存施設に使用されることが期待されています。

文献で一般的に使用されているNaClO4やNaPF6と比較して、Sodium-difluoro(oxalato)borate (NaDFOB)は、炭素材料、酸化チタン、プルシアンブルーなど、ナトリウムイオンバッテリー材料として十分に研究されてきている化合物との高い互換性を持っているため、優れた出力特性とサイクル寿命特性が見込めます。ナトリウムイオンバッテリーは次世代送電網のような大容量のエネルギー保存に利用されると考えらており、NaDFOBは持続可能なエネルギーへの要求を満たすための信頼背が高いバッテリー開発に役に立つと考えています。

Reference

 1.    J. Chen, Z. Huang, C. Wang, S. Porter, B. Wang, W. Lie, H. K. Liu, “Sodium-difluoro(oxalato)borate (NaDFOB): A new electrolyte salt for Na-ion batteries”, Chemical Communications, 2015, 51, 9809.

水素吸蔵(保存)化合物

2020年12月10日

水素は地球上でもっとも軽く、また最も多く存在する元素です。水素は燃料自動車が実用化されたときに「水素社会」という言葉とともに次世代エネルギーの一つとして注目されました。
確かに水素は酸素と結びつけて発電したり、燃やして熱エネルギーとして利用できたり、燃焼の際には水ができるだけでCO2を排出しないといったクリーンなエネルギーであり、また単独では存在せず他のいろいろな元素と結びついた状態で存在することから、様々なものをエネルギー資源として利用することが出来るという理想的なエネルギーではありますが、現在の製法では水素を製造する際にCO2を排出するという欠点もあるため、CO2を発生させない様々な製法が開発されてきています。

水素はまたエネルギー密度が非常に低いということから輸送コストの問題、現在の保存容器では水素に腐食されるため長期保存が難しいといった欠点も抱えており水素輸送や水素保存に関しても様々な技術が開発されています。
「水素を含有する化合物に変換 した上で輸送するの」ということも輸送・保存方法のひとつとして考えられます。水素保存材料によって高い体積密度と重量密度による水素の保存が可能になります。しかし高い水素収容能力、低温での脱水素、制御可能な水素放出、高い再生能力などを併せ持つ物質の開発への挑戦は残されています。

Boron Molecular社はオーストラリア、ニューサウスウェールズ州のウーロンゴン大学(the University of Woolongong)とのチームアップで研究者コミュニティーが高品質な水素吸蔵化合物に容易にアクセス出来るようにすることで研究者が正しい候補化合物を探索できるよう支援しています。

Sodium octahydrotriborate (NaB3H8) (BM1607) CAS No. 12007-46-4
Empirical Formula:  NaB3H8 Molecular Weight:  63.4
白色粉末、不活性雰囲気下で約100℃で分解、水と徐々に反応(室温で1週間10%以内)、高い吸湿性、ほとんどのエーテル溶媒によく溶ける

500 Princes Highway Noble Park, Victoria, 3174 Australia
About – Boron Molecular

<アプリケーション>
オクタヒドロ三ホウ酸ナトリウムは水素を多量に含んだ塩で、高溶解性で水に安定です。遷移金属触媒が促進する加水分解によって高純度の水素ガスが素早く放出されます。ボロンに対するナトリウム率が高いと加水分解中にポリボレート複合体の混合物が形成されますが、この准安定な溶液は結晶化が困難です(Fig.1)
難水溶性の加水分解物を形成する傾向があるNaBH4やNH3BH3と比べるとNaB3H8は液相状態でより高い水素保持能力を有しています。液相状態での水素貯蔵は現在の分散系液体燃料技術に対するより高い互換性も持っています。

Fig. 1  NaB3H8の加水分解によるポリボレートの形成

バルキーなB3H8アニオンは水素リッチイオン液体を作る理想的なソースにもなります。NaBH4とは異なりNaB3H8はジエチルエーテルを含むほとんどのエーテル溶剤に容易に溶けるため有機合成において効果的な還元剤となります。NaB3H8は、高い反応性によってホウ素薄膜の作製用途で注目されている他の金属・非金属オクタヒドロ三ホウ酸の重要な前駆物質です。

References:

  1. Z. Huang, G. King, X. Chen, J. Hoy, T. Yisgedu, H. Lingam, S. Shore, P. Woodward, J. Zhao. “A Simple and Efficient Way to Synthesize Unsolvated Sodium Octahydrotriborate.” Inorganic Chemistry, 2010, 49, 8185.
  2. Z. Huang, X. Chen, T. Yisgedu, J. Zhao, S. Shore. “High-capacity hydrogen release through hydrolysis of NaB3H8.” International Journal of Hydrogen Energy, 2011, 36, 7038.
  3. D. Schubert, D. Neiner, M. Bowden, S. Whittemore, J. Holladay, Z. Huang, T. Autrey, “Capacity Enhancement of Aqueous Borohydride Fuels for hydrogen storage in liquids”, Journal of Alloys and Compounds, 2015, 645, S196.
  4. W. Chen, Z. Huang, G. Wu, T. He, Z. Li, J. Chen, Z. Guo, H Liu, P.
    Chen, “Guanidinium octahydrotriborate: an ionic liquid with high hydrogen storage capacity”, Journal of Materials Chemistry A, 2015, 3, 11411

安全で安心なエネルギーをグリーンテクノロジーで

2020年11月18日

“グリーン”という言葉は環境問題が話題となるとき好んで使われる言葉です。実際、環境汚染対策や地球温暖化対策、例えば廃棄物処理やリサイクル、省エネ、再生可能エネルギー、エコカーやグリーンビルなどに関連した技術を総称してグリーンテクノロジーと呼ばれています。グリーンテクノロジーは「環境技術」と訳されることもありますが、グリーンテクノロジーは地球環境を守るための技術です。

現在2017年度のパリ協定における長期目標の達成に向けて世界各国様々な分野で技術開発が行われています。
合同会社NanoSiCはホームページでご紹介している通り、次世代型自動車の一つであるBEV(電気自動車)用バッテリーとして、また再生可能エネルギーによる電力系統用蓄電池として開発が盛んなリチウムイオン電池用の素材として注目されている結晶ナノシリコンを扱っていますが、それ以外の素材も扱っていきます。
このブログではホームページではご紹介できない様々な分野の素材を中心にご紹介していきたいと考えています。

エネルギー貯蔵技術について
Boron Molecular Pty Ltd. (オーストラリア)

エネルギー貯蔵は風や太陽光のような再生可能エネルギーの利用・開発を行う上でカギとなる技術ですが、必要とされる技術は市場の状況によって変動いたします。エネルギー貯蔵は携帯電話から輸送機関におけるモバイル端末にとっても重要な技術です。様々なエネルギー貯蔵技術の中で水素とバッテリーが将来有望な手段とされています。
水素は他の燃料と比較して最も高いエネルギーを持っており、その蓄積されたエネルギーは水素燃料電池を使って高能率で引き出すことができます。また汚染物質を排出しません。このことは自家用車やバス、フォークリフトなどで実証されています。しかし水素は大気温での密度が低いため、結果として単位体積当たりのエネルギーが低くなり、従来の圧縮や液化技術は問題を抱えています。
バッテリーには電気が蓄積されていて必要に応じて放電されます。バッテリーには様々なタイプがあり、それぞれが用途に合わせた特徴 を持っています。現在モバイルアプリケーション用 途の主力は、高エネルギー密度を持っているリチウムイオンバッテリーです。ロー ドレベリングに関連する電力系統構築 に向けた自然に豊富 に存在するナトリウムやマグネシウムを使用するバッテリーに関しても現在熱心に研究されています。

Boron Molecular社は、オーストラリアのCSIRO(オーストラリア連邦科学産業研究機構、Commonwealth Scientific and Industrial Research Organization, MolecularScience)から 2001年に分離独立した会社です。同社は現在もCSIROとは密接な関係を保っており、CSIROが開発した技術を基に様々な製品を市場に送り出しています。次回から同社の製品を何回かに分けてご紹介していきたいと思います。

電力系統イメージ Boron Molecular社ホームページより

報道通信社より発行されております月刊経営情報誌『Anchor』(アンカー)のインタビューを受けました。インタビューはびわ湖大津館にて行われ、当日のゲストインタビュアーは元光GENJIの大沢樹生氏。経歴や起業に至る経緯、今後の抱負等約40分のインタビューでした。このインタビューの内容はAnchor 8月号の「地域再生─企業は人なり─」に掲載されました。

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