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補体について (3)

2021年8月3日

補体系が関わる病気 2

Age-related Macular Degeneration
~加齢黄斑変性(かれいおうはんへんせい)~

加齢黄斑変性(AMD)は高齢者が目が見えなくなる主な要因で、特にヨーロッパ人に多く見られ、世界中でおよそ3000万人から5000万人が罹患しています。この病気の初期の特徴は、ブルッフ膜と網膜色素上皮(RPE)の間にドルーゼン(Drusen)と呼ばれるリポタンパクが蓄積することです。病気が進行すると次のような2つの非常に重い症状が出てきます。一つは地図状萎縮型(GA, geographic atrophy)あるいはドライ型と呼ばれる症状で、RPE細胞(網膜色素上皮細胞)や網膜細胞が失われるのが特徴です。

もう一方は、脈絡膜新生血管型(chroidal neovascularization、CNV)または滲出型(ウエット型)と呼ばれ、発達した血管がレチナール層に入り込み液の濾出や出血を伴うことが特徴です。1 米国では約175万人がAMD後期と診断され、730万人にAMDの初期兆候が見られます。2 世界保健機構(WHO)は2002年に世界の失明者の8.7%がAMDに起因するもので、1400万人の人がAMDによる失明や重度の視覚障害を抱えています。

ドルーゼン(drusen)の成分の研究は、炎症、特に代替補体経路(AP)の局部的活性化がAMDの発症に関与していることを示しています。補体フラグメントC3、C5及び膜侵襲複合体(MAC、C5b-9)がドルーゼンや色素上皮下及び脈絡膜の毛細血管板内に存在することが確認されています。更に、クラステリン(Clusterin)やヴィトロネクチン(Vitronectin)のような液相制御タンパクもドルーゼンの成分として認められています。4 別の研究は補体H因子(CFH)の遺伝子がAMD発症のリスク増大に関与していることを示しています。5-7 H因子は主に肝臓で合成されますが、網膜色素上皮で局所的に合成される場合もあります。8 

H因子は液相における代替補体経路(AP)の主要インヒビターで、宿主細胞に結合し、代替経路補体C3転換酵素(C3bBb)の形成や活動を妨げることでその活性化を阻害します。 補体H因子はI因子によるC3bの不活化のための補助因子となります。補体H因子が存在しない場合、C3bはB因子に結合し、D因子によってBaとBbに分解され、最終的には代替え経路補体C5転換酵素を形成し、続いて補体末端経路の構成成分から膜侵襲複合体(MAC)を形成します。 制御タンパク(H因子、I因子またはD因子)の濃度や活性のわずかな違いが目の中の局部的な補体活性化にまで影響する可能性があります。そのため代替補体経路のごくわずかな活性化により炎症誘発性物質や血管新生物質の局部的な放出されたり、網膜組織が損傷を受けたりし、病気の発症につながっていきます。9

補体システムの特定成分をターゲットにした加齢黄斑変性(AMD)の治療法は多数開発中で、病気の初期段階に効き目があり、AMD後期への進行を妨げる可能性があります。しかしどのような治療方法であっても免疫系における補体抑制(阻害)の全身への影響を最小限にしなければなりません。AMDの管理(抑制)にモノクロナール抗体と核酸アプタマーの使用が提案されています。

DrugMechanism of ActionSponsorClinical Study Phase
POT-4 (Compstatin)C3 inhibitorAlconPhase II
ARC 1905Aptamer-based C5 inhibitorOphthotechPhase I completed
Exulizumab (Soliris)C5 antibodyAlexion PharmaceuticalsPhase III
FCFD4514SAnti-factor D antibodyGenentechPhase II
TA106Factor B inhibitorTaligen Therapeutics,
Alexion Pharmaceuticals
Pre-clinical development
JSM-7717 and
JPE-1375
Peptidomimetic C5a
receptor inhibitors
EvaluatePharma and Jerini AG,
respectively
Pre-clinical development
Current medications in development for the management of dry AMD10

References

  1. de Jong, PT. Age-related macular degeneration. N. Engl. J. Med. 255(14):1474-1485 (2006).
  2. Congdon, N et al. Causes and prevalence of visual impairment among adults in the United States. Arch. Ophthalmol. 122:477-485 (2004).
  3. Hageman, GS et al. An integrated hypothesis that considers drusen as biomarkers of immune-mediated processes at the RPE-Bruch’s membrane interface in aging and age-related macular degeneration. Prog. Retin. Eye Res. 20:705-732 (2001).
  4. Sivaprasad, S and Chong, NV. The complement system and age-related macular degeneration. Eye 20:867-872 (2006).
  5. Jokiranta, TS et al. Analysis of the recognition mechanism of the alternative pathway of complement by monoclonal anti-factor H antibodies: Evidence for multiple interactions between H and surface bound C3b. FEBS Letts. 393:297-302 (1996).
  6. Ufret-Vincenty, RL et al. Transgenic mice expressing variants of complement factor H develop AMD-like retinal findings. Inv. Ophthal. & Vis. Sci. 51(11):5878-5887 (2010).
  7. Zipfel, PF et al. The role of complement in AMD. In: Inflammation and Retinal Disease: Complement Biology and Pathology. Lambris JD, Adamis, AP (eds). Advances in Experimental Medicine and Biology, pgs. 9-24 (2010).
  8. Klein, RJ et al. Complement factor H polymorphism in age-related macular degeneration. Science 308:385-389 (2005).
  9. Scholl, HPN et al. Systemic complement activation in age-related macular degeneration. PLoS ONE 3(7):e2593-e2599 (2008).
  10. Punjabi, OS and Kaiser PK. Dry AMD: The role of complement. Rev. Ophthal. 19(10):64-68 (2012).

補体について (2)

2021年7月1日

補体系が関わる病気 1

補体系は補体の活性化と非活性化のバランスの上に成り立っていて、何らかの要因でそのバランスが崩れた時にいろいろな病気が引き起こされます。
これから数回に分けて補体系が関与する病気についての記事を掲載させていただきますが、その多くはまだその原因や診断方法、治療法が確立している訳ではなく日本も含め世界各国の研究機関における研究課題の一つとなっています。

Systemic Lupus Erythematosus(SLE)
~ 全身性エリテマトーデス(指定難病 49)~

全身性エリテマトーデス(Systemic Lupus Erythematosus, SLE, Lupus)は、免疫系が体の細胞組織を攻撃し、その結果炎症や組織の損傷を引き起こす自己免疫疾患です。SLEは、抗体免疫複合体が起因となり、更に免疫反応に影響を及ぼす免疫複合体病です。発症直後は紅斑といわれる赤い湿疹がありその後鎮静します。SLEは多くの場合、心臓、関節、皮膚、肺、血管、肝臓、腎臓、神経系統に影響を及ぼします。女性の発症率は男性の7倍以上で、通常出産適齢期(15歳~35歳)に多く発症します。1

米国リウマチ学会(The American College of Rheumatologists、ACR)は臨床研究を目的としたSLE患者特定のための11の判定基準を確立しました。2,3 以下の11項目中4項目が同時にあるいは連続して2回発現すればその人はSLEとみなされます。

1 頬部紅斑 Malar rash  
2 円板状皮疹 Discoid rash  
3 漿膜炎 Serositis 肋膜炎または心膜炎
4 口腔潰瘍 Oral ulcers  
5 関節炎 Arthritis 圧痛、腫れ、浸出を伴う2つ以上の非びらん性末梢関節炎
6 日光過敏 Photosensitivity  
7 血液-血液障害 Blood-Hematologic disorder 薬物誘発性ではない溶血性貧血または白血球減少、リンパ球減少、血小板減少。免疫複合体誘発性炎症によるC3やC4の消費、あるいは先天性補体欠損症(SLEにかかりやすいと思われる)のため低補体血症も見られます。
8 腎障害 Renal disorder 1日0.5g以上の尿たんぱくまたは顕微鏡検査で尿中に細胞性円柱が認められます。
9 抗核抗体検査陽性 Antinuclear antibody test positive  
10 免疫異常 Immunologics disorder 抗Sm抗体、抗dsDNA抗体、抗リン脂質抗体、梅毒の血清検査による偽陽性
11 神経障害 neurologic disorder 痙攣、精神異常

SLEの発症メカニズムは複雑で、補体と病気の関連性からいくつかの仮説があります。最初の一つは免疫複合体の処理不全で、SLE発祥の主要因とされていました。アポトーシス細胞は自己抗原の主要ソースと考えられており、C1qが他のタンパク例えばCRPやIgMと共にそれを認識します。大部分の進行中で重度のSLE患者から低濃度の補体成分が検出されます。4
例えばC1、C2、C4など補体の古典経路に関与するタンパク質の欠損は進行中のSLEに関係づけられます。5,6 C1q濃度の低下はSLE紅斑の発症前に記録されています。SLE患者の血清中に補体タンパクに対して高い親和性を持つ数種類の自己抗体が確認されています。最初にあげられるのは、C3の活性化断片であるiC3bの抗体です。この病気における自己抗体の正確な役割は、あるとしても、まだ解明はされていません。それ以外では、比較的珍しいのですが、C3腎炎因子、C1インヒビター及びC4b2a(古典経路のC3変換酵素)が少数の患者から検出されています。もっとも一般的な自己抗体は抗C1qで、SLE患者の1/3、特に重症患者から検出されます。抗C1q自己抗体の存在と糸球体腎炎には何らかの関連性があります。通常は補体の古典経路が極端に活性化され、C1qとC4の量が低いという兆候が見られます。SLE患者におけるC3量は一般的にはよくコントロールされていますが、C1q自己抗体を持つ患者の場合通常レベルよりかなり低いかもしれません。7

逆に、アナフィラトキシンであるC5aとC3aの濃度上昇や腎臓や肺に膜侵襲複合体(Membrane Attack Complex, MAC)が沈着することが報告されており、それらが組織損傷に関わっています。活動期SLEにおいて赤血球膜の第一型補体レセプター(Complement Receptor type I 、CR1)濃度の低下やC4、C3の付着を数名の研究者が報告しています。また、高濃度の赤血球結合C4dと低濃度のCR1の組み合わせがSLEに対して高感度(72%)と高特異性(79%)を有することが実証されています。8

補体システムを操作することによるSLEの治療は非常に複雑です。補体欠損はSLE発症の重要な原因です。そのため欠損している補体タンパクを補充することで補体活性を上げることは適切だと思われますが、残念ながら治療目的で承認されている精製補体あるいはリコンビナントの補体はありません。加えて、補体活性を上げると患者の細胞組織内に免疫複合体が蓄積し炎症性障害を引き起こします。最終的には導入された未知のタンパクが抗体を誘発し治療の効果を低減させたり、失くしてしまったりする可能性もあります。

さらに複雑なのは、これは十分に根拠があることですが、補体成分、特にアナフィラトキシンやMAC(膜侵襲複合体)がSLEに関連する組織損傷を引き起こすことです。このことは補体システムの抑制が適切な治療法であるということを示しています。このような取り組みは、補体の活性化が引き起こす他の病気、例えば糸球体腎炎(glomerulonephritis)、 虚血再灌流傷害 (ischemia/reperfusion injury:I/R injury)、異種移植拒絶反応(xenograft rejection)など他の病気の治療においても研究されています。研究によると抗C5a抗体が治療上有効であるとされています。抗体を使った治験はSLE9 に悩まされている患者に提案されてきています。

References

  1. Rahman, A and Isenberg, DA. Review article: Systemic Lupus Erythematosus. N. Engl. J. Med. 358(9):929-939 (2008).
  2. Tan, EM et al. The 1982 revised criteria for the classification of systemic lupus erythematosus. Arthritis Rheum. 25:1271-1277 (1982).
  3. Hochberg, MC. Updating the American College of Rheumatology revised criteria for the classification of systemic lupus erythematosus
    [letter]. Arthritis Rheum. 40:1725 (1997).
  4. Schur, PH and Sandsson, J. Immunological factors and clinical activity in systemic lupus erythematosus. N. Engl. J. Med. 278:533-538 (1986).
  5. Taylor, PR et al. A hierarchical role for classical pathway complement proteins in the clearance of apoptotic cells in vivo. J. Exp. Med. 192:359-366 (2000).
  6. Sturfelt, G and Truedsson, L. Complement and its breakdown products in SLE. Rheum. 44:1227-1232 (2005).
  7. Walport, MJ. Supplement Review: Complement and systemic lupus erythematosus. Arthritis Res. 4(suppl 3):S279-S293 (2002).
  8. Teixeira, JE at al. CR1 stump peptide and terminal complement complexes are found in the glomeruli of lupus nephritis patients. Clin. Exp. Immunol. 105:497-503 (1996).
  9. Holers, VM. Complement as a regulatory and effector pathway in human disease. In: Therapeutic interventions in the complement system. Lambris JD, Holers, VM (eds). pgs. 1-32 (2000).

補体について (1)

2021年6月1日

私たちの体には外部から侵入してくる抗原と呼ばれる病原性のウイルスや細菌などの異物を排除する免疫と呼ばれる機能が備わっています。免疫機能は抗体をはじめ様々な細胞やたんぱく質が複雑に関与することで抗原を排除するためのシステムを形作っています。

この免疫システムに補体と呼ばれるたんぱく質分解酵素があります。補体は免疫システムの中で様々な働きをしていますが、まだその働きはすべて解明されたわけではなく、現在各所で研究が進められています。

これから何回かに分けて補体が関係していると思われる病気に関する情報を掲載します。
尚、この情報は外部企業様の英文資料の翻訳です。誤訳と思われる個所がございましたらご指摘願います。

まずは補体系について

補体系は30以上の体液や膜結合型タンパクから成り、古典経路(Clasical)、代替え経路(Alternative)、レクチン経路(Lectin)、末端経路(Terminal)という4つの重要な経路に組織化されています。

古典、代替あるいはレクチンのいずれかを経由する一連の特殊な活性化段階によって、補体タンパクは炎症の誘導、免疫複合体の除去、細胞膜の破壊、免疫反応の抑制など一連の反応を仲介しています。補体カスケードの欠如によりオプソニン効果の無効化や、侵入してくる病原体を溶解する機能に不備が発生するため、人は感染症にかかりやすくなります。逆に補体系によって引き起こされた炎症は阻止しないと虚血再灌流障害のような組織の損傷につながる可能性があります。補体タンパクやその断片は関節リウマチ、SLE(全身性エリテマトーデス)、急性糸球体腎炎などいくつかの自己免疫疾患に関与していると考えられています。② 

ごくわずかな例外を除けば、補体タンパクC3が分解されていなければ補体系は活性化されていません。C3は血液中に最も多く含まれている補体タンパクです。(>1000μg/ml)C3はC3aとC3bの二つに分解されます。大きいほうの断片であるC3bはC5を分解する酵素を形成し末端経路を活性化して細胞分解を誘引します。

古典経路の活性化 (Activation of the Classical Pathway)

古典経路は、通常免疫複合体(抗原-抗体複合体)によって活性化されます。補体タンパクC4は2つの活性化物質C4a(anaphylatoxin)とC4bに分解します。古典経路の活性化によってC3を分解する酵素、C3転換酵素(C3 Convertase)が生成されます。C4bは分裂したC2とC2aとの共同作用によりC3転換酵素を形成します。

レクチン経路の活性化 (Activation of the Lectin Pathway)

レクチン経路はC4とC2の働きによってC3転換酵素(C3 Convertase)が生成されることで活性化するという点で古典経路と類似していますが、レクチン経路は活性化に抗原-抗体複合体を必要としません。③ 

レクチン経路の活性化は、例えばサルモネラやナイセリアのようなバクテリア、カンジダ-アルビカンスのような菌類病原体、HIV-1やRSVなどのウィルスなどを含む微生物の糖質や糖たんぱく質に存在するマンノースやグルコース、その他の糖類にマンノース結合レクチン(MBL)が結合することで始まります。

MBLはMASP-1(MBL関連セリン分解酵素)、MASP-2、MASP-3とともに複合体を形成します。 MBLが病原体表面のマンノース残基に結合するとMASP-1とMASP-2は、C4をC4aとC4bに分解し、C2をC2aとC2bに分解します。古典経路の場合と同じように、C4bとC2aは病原体表面で結合しC3転換酵素を形成します。

生体内での過剰な補体活性化が起こらないようにするために、補体タンパク一つであるファクター1がC4bを分解してC4d、C4cという2つの新しい成分を作ります。

C4dは古典経路、レクチン経路において特異的なので、検体中のC4d検出は、C4の活性化、すなわち古典経路、レクチン経路の活性化を確認することになります。

代替経路(副経路)の活性化 (Activation of Alternative Pathway)

代替え経路は加水分解されたC3(C3-H2O)と適切に反応する微生物表面の成分(例えばバクテリア表面のリポポリサッカライド(LPS))によって活性化されます。古典経路と同様にC3分解酵素、代替え経路C3転換酵素を生成します。この酵素の生成中にB因子がD因子に分解されBaとBbになります。

B因子は代替え経路において特異的なため検体中のBbを検出することでB因子の活性化、すなわち代替経路の活性化が確認できます。

C3の分解 (C3 Cleavage)

いったん古典経路、レクチン経路、代替経路のいずれかが活性化されるとC3転換酵素(C3convertase)が生成されます。この酵素はC3をC3bとC3a(強力なアナフィラトキシン)に分解します。C3bは補体の生物学的活性における中心的存在です。C3bは遊離アミノ基あるいはヒドロキシル基を含む細菌の表面に共有結合によって付着し、オプソニン化を引き起こし、最終的には貪食作用を促進します。また、C3bはフィードバックループにより、より多くの代替経路C3転換酵素を生成します。 更にC3bはC5転換酵素の形成にも関与しています。C3bは生体内でC3bが不活性C3b(iC3b)に分解されることで制御されます。タンパク質は補助因子(Factor H、補体レセプター 1、CR1)の存在の下にFactor Iによって分解されます。反応は体液中あるいは細胞表面に共有結合したC3bによって生じます。

C3は古典経路、レクチン経路あるいは代替経路のいずれかによって活性化されるので、検体中のiC3bあるいはC3aの検出は補体がいずれかの経路によって活性化されたことが証明できます。管理環境下で、ある生体材料にさらされた人血清中のいずれかのFragment量が増加した場合、それはその生体材料が補体システムを活性化したということの証明になります。

末端経路の活性化(Activation of the Terminal Pathway)

古典経路、レクチン経路、代替経路のいずれかによって生成されたC3bは新しい酵素C5転換酵素(C5 convertase)の形成に関わります。この酵素はC5を最も強力なアナフィラトキシンであるC5aと、C5bに分解します。C5bは他の4つの補体タンパク、C6、C7、C8、C9との相互作用により膜侵襲複合体(Membrane Attack Complex、MACまたはTerminal Complement Complex、TCC)を形成し、細胞を分解します。生体外における検体では、生成されたC5bは細胞分解までには到りませんが、体液中に転換され溶解性の不活性複合体、SC5b-9を形成します。

C5は末端経路において特異的であるため、検体中のC5aあるいはSC5b-9を検出することで、末端経路が活性化されたことを証明できます。

要約しますと、活性化成分であるC3、C4、C5あるいはB因子を測定することで、補体システムが病原体にさらされるか、特殊な病態に反応した結果として、血清やプラスマ中で活性化されているかどうかを確定できる可能性があります。更にその測定によってどの経路で活性化されているかを決定できる可能性もあります。補体システムにおける活性欠損か過剰な活性化かを見極めることは、補体に関わる病気と闘うための治療法を開発するうえで非常に重要です。

出典:福岡大学理学部様

References

  1. Liszewicki, MK and Atkinson, JP. The Complement System. In: Fundamental Immunology. Paul, WE (ed.) (1993).
  2. Botto, M et al. Complement in human diseases: Lessons from complement deficiencies. Mol. Immunol. 46(4):2774-2783 (2009).
  3. Wallis, R et al. Paths reunited: initiation of the classical and lectin pathways of complement activation. Immunobiol. 215(1):1-11 (2010).
  4. Degn, S et al. Map44, a human protein associated with pattern recognition molecules of the complement system and regulating the lectin pathway of complement activation. J. Immunol. 183(11):7371-7378 (2009).
  5. American Society for Testing and Materials. F2567-06: Standard Practice for Testing For Classical Pathway Complement Activation in Serum by Solid Materials. (2010).
  6. American Society for Testing and Materials. F2065-00: Standard Practice for Testing For Alternative Pathway Complement Activation in Serum by Solid Materials. (2010)

Boron Molecular社のRAFT重合反応について

2021年4月1日

本記事はBoron Molecular 社ウェブページからの抜粋です。また本記事中のRAFT重合関連の製品詳細については下記販売代理店様にご確認くださいますようお願いします。

長瀬産業様スペシャリティケミカル事業部

Boron Molecular社では研究開発からコマーシャルスケールまで、グラム単位から数百キログラム単位でのモノマーやポリマーの受託合成が可能です。前回第5回ブログでは同社のアニオン重合反応について紹介させていただきましたが、今回はRAFT重合反応について紹介いたします。

Boron Molecular社は、RAFT重合反応(Reversible Addition Fragmentation chain Transfer Polymerization、可逆的付加-開裂連鎖移動重合)やアニオン重合反応を使ってお客様のご要望に沿ったポリマーを受託製造すること可能であり、低分子量モノマー1H NMRとGCで、ポリマーはゲル浸透クロマトグラフィー (GPC)で分析することができます。

RAFT重合はCSIRO(オーストラリア連邦科学産業研究機構)が開発した多方面に応用可能な精密ラジカル重合(CRP)です。この技術はポリマー合成に革命をもたらし、工学材料を含む様々な分野で多くの新しい用途が見込める新世代高分子材料を数多く生み出しました。RAFT重合技術を使用することで、構造、分子量、多分散度が正確にコントロールでき、様々な官能基性を持った生成物を得ることができます。これにより特徴のある末端官能基化ポリマーを簡単に製造することができます。RAFTは様々な反応条件や官能基性に対応可能で、現在使用されている一般的なフリーラジカル重合の設備を使用することができます。

Boron Molecular社は、2001年にCSIROから分離独立した会社で、現在もCSIROとは密接な関係を保っており、CSIROが開発した技術を基に様々な製品を市場に送り出しています。RAFT剤に関しても研究用の少容量から商業用バルクまで一貫して製造販売しています。このため新規ポリマーの初期開発から商用化までRAFT重合反応の開発をサポート出来ますので、モノマーからポリマーまでシームレスなスケールアップが可能です。

RAFT重合反応について

RAFT重合は、停止反応が十分に制御されたフリーラジカル付加重合反応です。そのため、モノマーの供給がなくなるまで重合反応は続きます。重合はモノマー(と開始剤)が溶液中に追加されると再開します。 この特性により、形成されるポリマーの大きさ、組成、構造を明確にコントロールできます。

RAFT重合では従来型の処理装置を利用して簡単にスケールアップが可能です。またポリマー研究者にとってもより簡単にポリマーを合成することができるという利点があります。設計した分子量で狭い分子量分布を持ったポリマーを様々なモノマーを使って様々な反応条件のもとで合成可能で、さらなる重合反応も含め、意図的な操作を可能にする反応性のある末端グループを持たせることが可能です。

また以下のような複雑な構造を持つポリマーも合成可能です。

RAFT重合反応では様々なモノマーやモノマー混合物を使用することができます。また溶液、エマルジョン、懸濁重合を含むフリーラジカル重合の全ての形態で使用可能で、バッチ式と連続式で処理可能です。

Boron Molecular社のポリマー製造能力について

2021年3月1日

(本記事はBoron Molecular 社ウェブページからの抜粋です)

Boron Molecular社では研究開発からコマーシャルスケールまで、グラム単位から数百キロ単位でのモノマーやポリマーの受託合成が可能です。従って、お客様の製造プロセスの開発から最適化までが可能ですので、研究室レベルの少量生産からパイロット・コマーシャルスケールでの生産への移行をスムーズに行うことができます。 同社は、ISO9001の認証を取得しており、社内の分析検査ラボで様々な検査・分析に対応しており、現在ペイント、コーティング、接着剤、電気関連企業から化粧品、動物薬、医薬品まで幅広い分野のお客様をサポートしています。

アニオン重合は、アニオン開始剤であるアルキルリチウムとビニルモノマーの反応によって生じた成長活性種がアニオンであるリビング連鎖付加重合反応の1種です。 RAFT重合反応同様アニオン重合では製品であるポリマーの構造やその設計をコントロールできます。実際のアニオン重合では、アニオン成長活性種を系中に残存させるために、実験的に厳しい要求が課せられます。
このためにBoron Molecular社は最適な再生可能なポリマー製造を確実にするための厳しい反応条件を維持するという問題を解決するため、*CSIROとアニオン重合によるポリマー製造にフローケミストリーを用いる技術を共同開発しており、成長末端の活性維持できる最適な結果を得るためにアニオン重合の厳しい反応条件を調整しています。
*CSIRO(Commonwealth Scientific and Industrial Research Organisation、オーストラリア連邦科学産業研究機構)

PHMO

Boron Molecular社は polyhexamethylene oxide (PHMO)を供給することができます。PHMOは650~750の範囲の分子量を持つ1,6-Hexandiolがベースのポリエーテルで、バイオメディカルポリウレタン(Elast-EonTM)の製造原料として使用することができます。

PDMS

Boron Molecular社はpolydimethylsiloxanes (PDMS)を供給することができます。polydimethylsiloxanes (PDMS)はシリコンベースのポリマーで、界面活性剤、消泡剤、油圧作動液、リソグラフィ-、医薬品、化粧品として利用できます。PDMSはバイオメディカルポリウレタンエラストマー(Elast-EonTM)を製造するためにpolyhexamethylene oxide (PHMO) と反応させることができます。

Polyanillines

Boron Molecular社はエスメラルディン塩としてドープ(付加)されたポリアニリン樹脂を製造しています。このポリマーはエメラルドグリーン色で高い導電性を持っていて(10 S/cm薄膜)以下のような分子量特性を持っています。
Mp 55,000,  Mn 43,000,  Mw 66,000

ポリアニリンは酸化状態によって色が変化するので、センサーやエレクトロクロミック素子に利用可能です。 将来的にポリアニリン樹脂は静電気防止材、さび止め塗装、電磁波シールド材、ナノファイバー、透明導電体などに使用できる可能性もあります。

分析について

Boron Molecular社はCSIROが持っている以下の分析技術を利用することで、モノマーとポリマーの分析をすることができます。

  • 1H, and 13C NMR
  • MS, including MALDI
  • GC
  • HPLC
  • GPC, FTIR, FTIR-microscopy
  • Raman, DMTA, TMA, rheometry, permeability tensile, compression testing (Instron), MOCON, XPS, AFM, XRD, SAXS-WAXS
  • APC, Thermal analysis using DSC, TGA
  • Melt flow indexers (MFI)

報道通信社より発行されております月刊経営情報誌『Anchor』(アンカー)のインタビューを受けました。インタビューはびわ湖大津館にて行われ、当日のゲストインタビュアーは元光GENJIの大沢樹生氏。経歴や起業に至る経緯、今後の抱負等約40分のインタビューでした。このインタビューの内容はAnchor 8月号の「地域再生─企業は人なり─」に掲載されました。

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